たける

新NISAの口座を開いたものの、「オルカン? S&P500? 結局どれを買えばいいの?」──これは誰もが通る道ではないでしょうか? この記事では、迷ったときの決め方と、私が実際に積み立てている銘柄を包み隠さずお話しします。

✔ この記事でわかること
  • 迷ったときに、その場で1本に決められる2つの質問
  • 「オルカンとS&P500、どっちがいいのか」への答え
  • 私が実際に積み立てている銘柄(NISAとiDeCoで分けています)
  • 信託報酬が逆転しても、私が乗り換えていない理由
  • 旧つみたてNISA時代から続けてわかった、銘柄選びより大事なこと

新NISAのつみたて投資枠で買える商品は、360本を超えています。これだけあると「選べない」のが普通です。

ただ、これから始める人が実際に候補にすべき商品は、ほとんど絞り込めます。そして、その中から1本を選ぶ方法もはっきりしています。

まずは、迷っている人がその場で決められる質問から始めます。

迷ったら、この2つの質問で決まります

抽象的な話をする前に、決め方を先に書きます。次の質問に答えてください。

【質問1】10年後、アメリカ以外の国のほうが伸びていたと知ったとき、あなたはどう思いますか?

  • 「別に気にしない」→ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • 「あのとき全世界にしておけば、と思いそう」→ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

【質問2】どちらもピンとこない。決められない。

→ オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)にしてください。

詳しい理由については以下で説明します。

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ここで決まった人は、あとは積立設定をするだけです。以下は「なぜそうなるのか」の説明なので、気になる方だけ読み進めてください。

候補になるのは、実質この2本です

360本を前にすると途方に暮れますが、次の3つの条件で絞ると一気に減ります。

① 信託報酬が年0.1%を下回っていること

保有しているあいだ、ずっとかかり続けるコストです。長期で継続することが前提となるため、この手数料はあなどれません。まずは信託報酬が低いこと商品を選ぶことが先決です。

② 株式インデックス型であること

インデックス型は「市場全体の平均と同じ動きを目指す」商品で、運用に人手がかからないぶん手数料が安く済みます。対して、プロが銘柄を選んで平均以上を狙う「アクティブ型」は手数料が高く、20年単位で見ると平均に勝ち続けられる商品はごくわずかです。債券などを混ぜた「バランス型」は値動きが穏やかになりますが、20〜30年かけて増やしたいなら、株式だけのほうが向いています。

③ 純資産総額が1兆円を超えていること

純資産総額とは、そのファンドに集まっているお金の総額です。これが小さいファンドは、運用を続けられなくなって途中で打ち切られること(繰上償還)があります。20年、30年と積み立てる前提なら、規模の大きさはそれ自体が安心材料になります。

この条件で残るのが、次の2本です。

ファンド名投資対象信託報酬(税込・年率)純資産総額
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 通称:オルカン日本を含む全世界の株式0.05250%約13.7兆円
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)米国の主要500社0.08140%約12.8兆円

※信託報酬・純資産総額は2026年8月25日時点。

条件に当てはまる商品は他にもありますが、これから始める人が最初の1本として選ぶなら、この2本のどちらかで問題ありません。純資産総額が桁違いに大きく、信託報酬の引き下げ競争を主導してきた実績があるのがこの2本だからです。

ただ、先に書いておくと、私自身がNISAで積み立てているのは、この2本のどちらでもありません。

私が実際に積み立てているもの

口座積み立てている銘柄信託報酬(税込・年率)考え方
NISA(つみたて投資枠)SBI・V・S&P500インデックス・ファンド0.0938%老後に向けた中心の資産
iDeCo(SBI証券)eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)0.05250%米国以外もカバーしておくための備え

SBI・V・S&P500を選んだのは、始めた当時これが最安水準だったからです。いま新しく始めるなら、私もeMAXIS Slimを選びます。なぜ乗り換えていないのかは、後半で正直に書きます。

もうひとつお気づきかもしれませんが、私は米国株式と全世界株式を「両方」持っています。これにも理由があります。順を追って説明します。

オルカンとS&P500、どっちがいいのか

実は「どちらも」アメリカ中心の投資。オルカンの63%はアメリカです

まず知っておいてほしいことがあります。オルカンの中身を見ると、63.1%がアメリカの株式です(2026年7月末時点)。

オルカンの国・地域別構成(上位5)比率
アメリカ63.1%
日本5.0%
イギリス3.2%
カナダ3.0%
台湾2.8%

つまり「オルカンかS&P500か」という対立ではなく、実際には「米国100%にするか、米国63%にするか」の違いでしかありません。まったく別のものを選んでいるわけではないのです。

ここを理解すると、選択のハードルはかなり下がります。どちらを選んでも、資産の大半が米国株であることに変わりはないからです。

どちらが儲かるかは、誰にもわかりません

では、どちらのほうが増えるのか。

これは誰にもわかりません。過去10年ほどは米国が強い相場でした。でも、それが今後も続く保証はどこにもありません。過去の成績から未来を当てられるなら、誰も投資で苦労していないはずです。

だから、冒頭の質問では「どちらが儲かるか」ではなく「どちらなら、自分が続けられるか」を聞きました。

インデックス投資でいちばん大事なのは、選んだ銘柄の優劣ではなく「やめないこと」です。長期で続ける前提の話なので、途中でやめてしまえば、どちらを選んでいたかはほとんど意味を持ちません。

私が「両方」を持っている理由

合理的な判断ではなく感情面で

S&P500で十分だと思っています。理屈ではそう考えています。

でも、将来アメリカ以外の国が経済的に急成長し、アメリカが他の国々より成績で劣るフェーズが来たとき、「オルカンにしておけばよかったかな?」と考えてしまう自分が、想像できます・・・笑

NISAでは「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」を選択し、当初はiDecoでも「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を選択していました。ただ、将来的にインドなどのアメリカ以外の国が成長したときに「iDecoでインドにも投資できている」と思える方が心理的に迷いが生じにくく続けやすいかなと思い、途中から「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」へ切り替えました(iDecoは積み立て期間中に簡単に投資商品を変更することができます)。

資産全体で見れば、米国の比率が高い状態に変わりはありません。純粋に効率だけを考えるなら、どちらか1本に寄せるほうがすっきりします。それでも私がこうしているのは、自分が途中で不安になってガチャガチャと投資先を動かしたり、投資自体をやめてしまったりしてしまうことのほうを問題だと考えたからです。最適な組み合わせであることより、続けられることのほうが優先される。これが、旧つみたてNISAの時代から積み立ててきた実感です。

✔ iDeCoで分ける前に知っておいてほしいこと

ここまで「口座で分ける」と書いてきましたが、iDeCoはNISAと性格がまったく違う制度です。掛金が全額所得控除になるかわりに、原則60歳まで引き出せません。教育費や住宅資金と時期が重なる可能性があるなら、先にNISAだけで積み立てるのが順当です。私がiDeCoを使っているのは、老後資金として「触れないこと」自体をメリットだと考えているからで、誰にでもすすめられる順番ではありません。この記事を読んでいる段階の方は、まずNISAで1本決めてください。口座で分ける話は、その先の選択肢です。

なぜ「除く日本」なのか

私がiDeCoで積み立てているのは、純粋なオルカンではなく「除く日本」です。

これは選んだというより、SBI証券のiDeCoに純粋なオルカンがないからです。全世界株式のラインナップは「SBI・全世界株式(雪だるま)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の2本だけでした。純粋なオルカンがあれば、迷わずそちらを選んでいました。

実際の差はごくわずかです。オルカンに占める日本の比率は5.0%で、その5%が抜けるぶん、他の国の比率が少しずつ上がります。米国比率でいうと63.1%が約66%になる計算です。給料は円でもらいますし、日本株も買っているので、「まあ、除く日本でもいいかな」という判断です。

たける

iDeCoは、金融機関ごとに買える商品があらかじめ決まっています。証券会社を選んだ時点で、選べる銘柄も決まる。ここは知っておいて損はありません。

私が積み立てているのは、いちばん安い商品ではありません

都合の悪い話なので、先に書いておきます。

私が積み立てているSBI・V・S&P500の信託報酬は年0.0938%。一方、同じS&P500に投資するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は年0.08140%です。

私が積み立てを始めたころ、この2本はほぼ横並びでした。その後eMAXIS Slimが引き下げを重ねた結果、いまでは逆転しています。

それでも私が変えていない理由は2つです。

【理由1】差が、行動を変えるほどの大きさではない

2本の差は年0.0124%です。たとえば毎月3万円を積み立てて、20年後に評価額が1,200万円になっていたとします。その年に発生するコストの差は、1年で約1,500円です。そこに至るまでの年は、もっと小さい差です。

保有している資産の額(評価額)1年あたりのコスト差
100万円124円
300万円372円
500万円620円
1,000万円1,240円

「最安ではないから乗り換えなければ」と焦る水準ではありません。業界全体で見れば、どちらも十分すぎるほど安い部類です。

【理由2】一度決めたら動かさない、というルール自体を守りたい

私はNISAのつみたて枠については「積み立て先は動かさない」というルールで続けてきました。(正直なところ、先ほど書いたとおりiDeCoで一度銘柄を切り替えていますが、動かしたのはその一度きりです)ここで0.0124%のために動かすと、次に何かのニュースを見たときにも動かしていいことになります。信託報酬の引き下げ競争はいまも続いていて、今日の最安が来年も最安である保証はどこにもありません。最安を追い続けるということは、毎年それを調べ、そのたびに乗り換えを検討し続けるということです。

私が守りたいのはコストの最小化ではなく、この行動ルールのほうです。

ただ、これはあくまで、すでに何年も積み立ててきた私の判断です。これから始める方は、eMAXIS Slimを選ぶことをおすすめします。

✔ NISA口座の「売却」には注意点があります

これから積み立てる分の銘柄を変えるだけなら、いつでも自由にできます。一方、すでに買った分を売って買い直す場合は注意が必要です。NISA口座で売却しても、使った非課税枠がその年のうちに戻ってくるわけではなく、枠が復活するのは翌年です。「乗り換え」という言葉で、この2つを混同しないようにしてください。

たける

「どれを選ぶか」よりも、「選んだあと放っておけるか」のほうが、結果への影響はずっと大きいです。

決まったら、すぐに設定してしまいましょう

銘柄が決まったら、その日のうちに設定まで終わらせてください。SBI証券の場合、手順はこれだけです。

  • 検索窓にファンド名を入力(「オルカン」でも「eMAXIS Slim 全世界」でも出てきます)
  • 「つみたて投資枠」を選んで「積立買付」へ
  • 決済方法を選ぶ(クレカ積立が使えるなら、ポイントがつくぶん有利です)
  • 毎月の金額を入力(迷ったら少なめから。あとから何度でも変えられます)
  • 目論見書を確認して設定完了

積立日は何日でもかまいません。長期で続ける話なので、日付による有利不利はほぼありません。設定が終われば、あとは基本的にやることはありません。

画面つきの詳しい手順はこちらで解説しています。→SBI証券でNISAを始める手順

よくある質問

Q. あとから銘柄を変えることはできますか?

A. できます。積立設定はいつでも変更でき、翌月以降の積立に反映されます。すでに買った分が自動で入れ替わるわけではないので、「これから積み立てる分だけ変える」ということも可能です。

Q. 2本以上持ってもいいですか?

A. 持てますが、中身が大きく重なるので、最初は1本で十分です。オルカンとS&P500を半々で持っても、米国比率が約82%になるだけで、むしろバランスが崩れてしまいます。まずは1本で始めて、自分の感情的に付き合いやすいやり方を探してみてください。資産が増えてから考えても遅くありません。

Q. つみたて投資枠と成長投資枠、両方使うべきですか?

A. まずはつみたて投資枠だけで十分です。私は成長投資枠で日米の高配当株を買っていますが、インデックス投資だけでも十分です。→新NISAの始め方

Q. 毎月いくら積み立てればいいですか?

A. 生活費を圧迫しない金額です。金額の決め方はこちらで詳しく書いています。→新NISAの始め方

Q. クレカ積立は使ったほうがいいですか?

A. 私は三井住友カードのOliveで積み立てています。同じ金額を積み立てるならポイントがつくぶん有利です。→銀行口座・クレカの使い分け

まとめ

つみたて投資枠のファンド選びについて、決め方と私の実例をお話ししてきました。最後にポイントをまとめます。

  • 迷ったら、「米国以外が伸びたとき後悔しそうか」で決める。決められないならオルカン
  • オルカンの63%は米国。「オルカンかS&P500か」ではなく「米国100%か63%か」の違い
  • どちらが勝つかは誰にもわからない。だから「どちらなら続けられるか」で決める
  • 私はNISAでS&P500、iDeCoで全世界(除く日本)。効率ではなく、途中で不安にならないための仕掛け
  • 私が持っているSBI・Vは最安ではない。これから始めるならeMAXIS Slimでよい
  • いちばん大事なのは、選んだあと動かさないこと
たける

完璧な1本を探し続けるより、十分にいい1本を選んで、あとは放っておく。旧つみたてNISAの頃から続けてみて、これがいちばん確実だと感じています。

どの証券会社を使うか迷っている方は、こちらもどうぞ。→証券口座の選び方 5社比較

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【肩書き】たける|30代・保険会社員・片働き4人家族の父 保険会社に勤めながら何も考えずお金を使い続け、子どもが産まれたタイミングで、まさかの貯金ゼロ。「このままじゃマズい」と一念発起し、30代前半から家計管理と投資を本格的にスタート。マネーフォワードMEと自作スプレッドシートで家計を見える化したことで、片働き・子ども2人の4人家族でも年間100万円を貯蓄・投資に回せるように変わりました。45〜50歳でのFIREを目標に、日々記録中です。「仕組みさえつくれば、誰でも貯まる」そう確信した体験を、同じように悩む子育て世帯の方に届けたくてこのブログを書いています。▶ FP2級・宅建士取得済み|趣味:散歩・観葉植物