保険の見直し方【削れる保険と残すべき保険の判断基準】
家計管理をしていくうえで欠かせないのが固定費の見直しです。固定費には色々なものがありますが、その中でも大きな支出となっているのが保険ではないでしょうか。
(固定費の見直しについては、固定費の見直し方【削減できる費目チェックリスト】で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。)
私も固定費を見直すタイミングで保険の見直しに取りかかりました。
結果を先に言います。見直した結果、月53,000円だった保険料を月15,600円まで下げることができました。月37,400円、年間にすると約448,800円の削減です。
ただし、注意が必要なのは、必要な保険や保障額は各家庭によって異なるため、一概にこうすべきとは言えない点です。
そこで、この記事では、「保険はこう見直すべき」という一般論ではなく、保険会社に勤務しFP2級のたけるが、実際に何を解約し、何を残し、何を新しく加えたのか、その判断の過程をそのままお伝えします。
(本記事は特定の保険商品をおすすめする専門的なアドバイスではありません。保険の要不要は家族構成や資産状況によって大きく変わるので、あくまで「一つの実例」として参考にしていただければと思います。)
見直し前の保険一覧
| 保険の種類 | 保障対象 | 保障内容 | おおよその保険料 (月額の支払額) |
|---|---|---|---|
| 貯蓄型保険① (長期定期) | たける | 死亡保障2,000万円+積立 | 19,000円 |
| 貯蓄型保険② (終身) | たける | 死亡保障500万円+積立 (65歳から元本超過、途中解約の掛金70%程度の返戻率) | 8,000円 |
| 貯蓄型保険③ (終身) | 妻 | ②と同様 | 8,000円 |
| がん保険① | たける | がん診断・治療保障 | 1,800円 |
| がん保険② | 妻 | がん診断・治療保障 | 1,800円 |
| 医療保険① | たける | 入院・手術保障 | 1,800円 |
| 医療保険② | 妻 | 入院・手術保障 | 3,000円 |
| 三大疾病保険① | たける | 三大疾病・死亡500万円+積立 | 8,000円 |
| 三大疾病保険② | 妻 | 三大疾病・死亡100万円+積立 | 1,600円 |
| 学資保険 | - | 子の教育資金積立 | 14,000円 (年168,000円) |
保険料合計(学資保険を除く):月53,000円
見直し後の保険一覧
| 保険の種類 | 保障対象 | 見直し内容 | 保険料(月額) |
|---|---|---|---|
| 貯蓄型保険① (長期定期) | たける | 解約 | 0円 |
| 貯蓄型保険② (終身) | たける | 解約 | 0円 |
| 貯蓄型保険③ (終身) | 妻 | 解約 | 0円 |
| がん保険① | たける | そのまま | 1,800円 |
| がん保険② | 妻 | そのまま | 1,800円 |
| 医療保険① | たける | そのまま | 1,800円 |
| 医療保険② | 妻 | そのまま | 3,000円 |
| 三大疾病保険① | たける | 保障500万円→100万円に減額 | 1,600円 |
| 三大疾病保険② | 妻 | そのまま | 1,600円 |
| 収入保障保険 (新規) | たける | 死亡時に月15万円の保障 | 4,000円 |
| 学資保険 | - | そのまま | 14,000円 (年168,000円) |
■解約 ■減額 ■新規加入 (色のない行は見直し前と変更なし)
保険料合計(学資保険を除く):月15,600円 → 月37,400円の削減。年間では約448,800円になります。
保険ごとの判断基準
貯蓄型保険はすべて解約しました
3本あった貯蓄型保険(長期定期1本、終身2本)は、すべて解約しました。
貯蓄型保険に入っていた当初の目的は、「貯金するよりお得に増やせて、同時に万一のときの保障やお葬式代も準備できる」という一石二鳥のイメージでした。しかし改めて考えると、これは以下の3つの役割を無理やり詰め込んでいるだけだと気づきました。
- 長期でお金を増やす → 株(インデックス投資)の方が期待リターンが高い
- お葬式代の準備 → 現金貯金で十分
- 万一のときの死亡保障 → 掛け捨ての収入保障保険の方が同じ保障を安く確保できる
つまり「株・現金貯蓄・収入保障保険」の組み合わせの方が、貯蓄型保険よりも上位互換だと判断しました。解約して受け取った解約返戻金は、ほとんどを株式投資の原資に回しています。
収入保障保険を新たに加えました
貯蓄型の死亡保障を解約する代わりに、掛け捨ての収入保障保険に新規加入しました。保険料は月4,000円で、死亡時に月15万円が支給される内容です。(保障期間は65歳まで)
保障額を月15万円に設定した根拠は、遺族年金の額を確認したうえで、現在の生活費(私自身の生活費分と住宅ローン分を差し引いた)金額をベースに、今の生活水準を維持できる金額を計算した結果です。「なんとなく大きい保障を」ではなく、実際に必要な額を逆算して決めたのがポイントです。
参考までに、遺族年金の目安を試算した表を掲載します。ご自身の家庭に近いケースがあれば、保障額を考える際の参考にしてください。
| 子の人数 | 自営業 (国民年金のみ) | 会社員(月収別の目安) | ||
|---|---|---|---|---|
| 25万円 | 35万円 | 45万円 | ||
| 子1人 | 90,900円 | 116,600円 | 126,900円 | 137,200円 |
| 子2人 | 111,200円 | 136,900円 | 147,200円 | 157,500円 |
| 子3人 | 118,000円 | 143,700円 | 154,000円 | 164,300円 |
出典:日本年金機構「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」の計算式をもとに試算した参考値です。会社員の金額は厚生年金加入期間25年未満は300ヶ月とみなす制度を適用し、平均標準報酬月額を仮定して算出しています。自営業(国民年金のみ)の場合は遺族厚生年金が上乗せされないため、収入額に関わらず子の人数のみで金額が決まります。実際の受給額は個人の加入期間・給与履歴によって異なるため、正確な金額はねんきんネットや年金事務所でご確認ください。
がん保険・医療保険・三大疾病保険は残しました
正直、医療保険が一番悩みました。合理的に考えるなら、国の社会保障が充実していて、高額療養費制度もある。貯金さえしっかりしておけば、がんや病気になったときも自分たちの貯金でカバーできるはずで、保険を解約した方が家計上は有利という結論になります。
それでも残すことにしたのは、「病気になったときに貯金が減っていくことの精神的な負担」を考慮したからです。妻も残したがっていて、妻とも相談したうえでこれは継続することにしました。
ただし三大疾病保険①だけは、保障額を500万円から100万円に減額し、保険料を月8,000円から月1,600円まで下げました。支払った保険料も積み立てられる保険なので、保障をゼロにはせず、減額という形にしました。
学資保険は妻の意向で残しました
貯蓄型保険を解約する話をしたとき、妻は当初反対でした。「万が一の場合大丈夫なのか、お葬式代のことも考え貯蓄も進められるのであれば、このまま手堅く残しておいた方がいいのでは・・・」という考えは、私自身も同じように考えて加入したので、むしろ普通の感覚です。何度か話し合いを重ね、最終的には納得してもらえました。
その一方で、「学資保険だけは残してほしい」という妻の希望はそのまま受け入れました。合理性だけで判断すると新NISAの方が有利という考え方もできますが、「子供の教育資金だけは確実に、決まった形で残しておきたい」という妻の気持ちを尊重した形です。
保険の見直しは数字だけの話ではなく、夫婦それぞれの「安心の感じ方」をすり合わせる作業でもあると、今回あらためて感じました。
見直しの結果まとめ
今回の見直しで、保険料は月53,000円から月15,600円まで下がりました。差額の月37,400円は、投資やこどもの習いごとなどに回しています。
保険を見直すときに大事にした4つの判断基準
- 貯蓄と保障は分けて考える。ひとつの商品に両方を詰め込むと、それぞれの効率が悪くなりがち
- 死亡保障は「掛け捨て」で、必要な期間・必要な金額だけ確保する
- 数字の合理性だけでなく、家族が感じる「安心」も家計管理の一部として大切にする
- 一人で決めず、パートナーと話し合ってすり合わせる
保険の正解は家庭によって違います。この記事が、わが家と同じように保険を見直したいと考えている方の判断材料の一つになればうれしいです。
保険の見直しは、固定費の削減や投資とセットで考えるとより効果が大きくなります。関連する内容もいくつか記事にしているので、よければ参考にしてみてください。
